第13回日本血液疾患免疫療法学会 学術集会開催にあたって
「造血器腫瘍の免疫療法 2021—新時代へ—」
第13回日本血液疾患免疫療法学会 会長 藤井 眞一郎
国立研究開発法人 理化学研究所
生命医科学研究センター 免疫細胞治療リーダー
創薬・医療技術基盤プログラム 副プログラムディレクター
皆様におかれましては、時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。このたび、第13回日本血液疾患免疫療法学会 学術集会の会長を拝命し、2021年6月18日(金)から19日(土)の2日間にわたってL stay&grow 南砂町(東京都江東区)において開催することとなりました。本会場は東京駅から20分、羽田空港からも40分と大変便利な立地ではあります。また、当会場は閑静な住宅街にあり、最寄り駅「南砂町」から雑踏の中をお越しいただくようなこともございません。2020年に、世界規模の新型コロナウイルスの感染拡大が起こり、多くの学術大会が中止を余儀なくされました。本年の本学会はぜひとも多くの方に現地での参加をしていただけるように「新型コロナウィルスの感染予防対策の徹底」をモットーに24時間連続換気・空気清浄システムに加え、ウィルスや菌の抑制効果も報告されている天井埋め込み型の空気循環ファンを設置した会場を選定いたしました次第です。
本学会は、平成21年に設立された“造血器腫瘍免疫療法研究会”を母体とし、平成30年に現在の“日本血液疾患免疫療法学会”と名称変更し、文字通り血液疾患の免疫療法の成功を目指した学会として発展して参りました。本学術集会では、会員や関連分野の研究者、医療従事者などの皆様の研究発表、及び学術交流を血液疾患の免疫療法に関する基礎ならびに臨床研究に携わる研究者間の活発な討議の場を提供し、血液疾患の免疫学的研究並びに免疫療法の発展に少しでも貢献できる機会となるように、鋭意準備しております。また本会では産官学の各研究者が広く議論を深め、企業の皆様との情報交換、交流の場を設けたいと存じておりますので、その趣旨に沿った工夫をいたしたく思っております。
近年ご存じのように免疫療法は、各種悪性腫瘍治療における有効性の検証が進み、さらには免疫療法製品や免疫療法薬の開発も飛躍的に進歩しております。造血器腫瘍は、改変型T細胞療法や細胞療法など免疫療法の進んでいる分野ですが、その克服には更なるブレークスルーを必要としております。その意味からも、本研究会のメインテーマは、「造血器腫瘍の免疫療法2021-新時代へ-」に致しました。この言葉をご覧になった皆様が、其々の思いで新しい時代をご想像いただけるきっかけになれば幸いに考えています。本会は、このような細胞治療や血液疾患の免疫療法の発展に伴い学術集会の内容もますます充実し、1日の会期に収めるのが難しくなり、来年は2日間開催することに致しました。来年の学術集会では、血液疾患を治療および病態のいろいろな免疫学的側面から評価し、最新の研究内容の共有の場として進め、国際的な視野で本領域をリードしていく若い研究者が成長できる場となるように若手の発表の場を増やし、臨床最前線への還元を目指したく思っております。
最後に、このような社会情勢ですので開催形式はハイブリッド方式といたしますが、一日も早くコロナが収束し、一人でも多くの方に現地での活発な討論に参加していただけることを願っております。第13回日本血液疾患免疫療法学会学術集会が、参加者会員の皆様に満足していただけるような相互の研究の御縁になる会になりますように準備をしたいと考えておりますので、本研究会の宝である一般演題に何卒奮ってご応募くださいますようお願い申し上げます。心より皆様のご参加をお待ち申し上げます。